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お話と音楽

このページは、1月に1回(毎月末)更新されています。はじめての方は、くろすけの巻きからごらんください。

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マスターに来た手紙の巻き

4匹がアロハ島から、ギャラネコの我が家へ戻ってくると、マスターに1通の手紙が来ていました。
昔の恋猫のエミーからでした。恋多きマスターでしたが、エミーはその中でも、最も愛した猫でした。

「マスターへ
突然お手紙を差し上げて、さぞかし驚かれたことでしょう。マスター、随分お逢いしていないけれど、お元気ですか?
私は今、森の近くの静かな一軒家で、一匹暮らしをしています。今日は朝から雪が降り積もっていて、外に出られないので、暖炉のそばで編み物をしていました。暖炉の赤い炎を見ていたら、去年の秋に出会った、不思議な出来事を思い出したのです。その時のことを、マスターにお知らせしたくて、お手紙を差し上げました。

月のとってもきれいな、ある秋の夜、一羽の年老いたトキが、空のお星様になったのです。
そのトキは、大空に羽ばたくことを夢見て暮らしていましたが、とうとうその思いを果たせぬまま、亡くなりました。私はとても心を痛めたのです。

あくる日、私は久しぶりに森へ行ってみました。すると、一羽のヤマセミが私のすぐそばの木の枝に止まったのです。
私が今までどんなに逢いたくても、何回森へ通っても、逢うことのできなかったヤマセミです。私は夢中でカメラのシャッターを切りました。そのヤマセミはこっちを向いて、ポーズを取ってくれたのです。そして、大空へ羽ばたいて行きました。

それから数日後、私は又その場所へ行ってみました。するとあのヤマセミがやってきて、私のすぐそばまで降りてきてくれたのです。

『ヤマセミさん、こんにちは、私はエミーです。今日はお話できて、とてもうれしいです。あなたの冠毛はいつ見ても、本当にすばらしいわ!!』
と私が言うと、ヤマセミは
『こんにちはエミー、これで逢うのは2回目だね。君もとってもきれいだよ。』
と答えてくれたのです。

私はあこがれていたヤマセミと話ができるなんて、夢のようでした。こんな幸せな気分、今までに味わったことがありません。
その日の夜は、よく晴れて、月も星も輝いていました。その中で、白く光るトキの星も見えました。トキが私に
『ヤマセミに合えてよかったね、』
と、ほほえんでくれているようでした。
私が撮った、ヤマセミの写真送ります。
エミーより」

エミーの送ってくれたヤマセミの写真を見ながら、マスターはこんなにもエミーの心をとりこにしたヤマセミに、ちょっと嫉妬しました。そして、エミーとヤマセミに逢ってみたくなりました。

他の3匹も、ヤマセミの写真を見て、うっとりしています。
グレ「かっこいい鳥だね。鳥仲間の中でも、もてるんだろうなあ。」
チャピー「私だって、鳥だったら結婚したいわ。」
カノジョ「メイと同じくらいステキだわ。」
カノジョの言葉にグレは、メイとヤマセミの両方に、やきもちをやきました。

その日の夜も、空は満天の星でした。
カノジョ「お星様になったトキの一生は、悲しいわね。」
グレ「今は仲間たちと、思う存分大空を羽ばたいているさ。」
4匹が空を見上げると、白く瞬くトキの星が、一瞬、金色の光を放ったような気がしました。

つづく

BGM シシリエンヌ(フォーレ)

ヤマセミ

お知らせ

一人の高校生が地雷撲滅を願って、絵葉書を作り、一人で募金活動をはじめました。
彼女は現在大学1年生で、募金活動と署名活動を続けています。
私(花岡文子)は、この活動を支援しています。皆さんのご協力をお願いいたします。
詳細はEメール:glay-cat-kurosuke@nifty.comでお尋ねください。

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