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お話と音楽

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収穫の季節  の巻き

コロボックルの村では、調度収穫祭が行われていましたので、グレたちはコロボックルに混じって、歌ったり踊ったり、出店で魔法のじゅもんを唱えると出てくるお菓子を買ったり、楽しい時を過ごしました。

夜も更けて、みんなの興奮は最高潮に達しています。やがて魔法の大時計がキンコンカンコン、 10 時の時を告げました。すると、今までライトを浴びて歌っていたコロボックルたちも、ステージも観客も、あっという間に消えてしまったのです。

グレたちは一体何が起こったのか、我が目を疑いました。

グレ「村長さん、今までいたみなさんはどこへ消えてしまったのですか?それにステージや出店もなくなってしまった!!」

村長「アハハ、驚かせてしまったかな。収穫祭の時期は一年中で最も木の実やキノコなど、たくさん収穫しなくてはならない時期で、皆朝から夕方まで収穫に出かけるのです。それで明日の収穫に差し支えないように、 10 時になると収穫祭は終るようにしているのです。」

カノジョ「そうですか。でも魔法の力ってすごいですね。あっという間に消えてしまうのだから。」

 

その夜グレたちは、村長さんの用意してくれたキノコの形の家で、ぐっすり休みました。明日はコロボックルたちと森へ木の実やキノコを採りに行くのです。

 

あくる朝はよく晴れて、絶好の収穫日より。

グレたちもコロボックルに混じって、木の実などの収穫をしました。森には見たこともないような、イチゴの形をした赤い木の実や、チョコレートの香りのする白くて丸い実や、バニラの味のする黄色い花、マシュマロのようにふわふわしたキノコ、星形のコーラ味の花等など、初めて見る植物ばかりです。

 

村長「私たちの村は森の中にあるので、 12 月に入ると、すっかり雪に埋もれてしまうのです。だから今のうちにできるだけ多くのものを収穫して、冬は魔法の薬を作ったり、ジャムや果実酒、チーズやお菓子を作って、暮らすのです。

ここの子供たちは収穫の季節には、大人といっしょに収穫の手伝いをするので、冬の間に、コロボックル語を習ったり、この村の歴史や文化を学びます。魔法の訓練も冬の間に行うのです。」

 

グレたちは、村長さんの話を聞いて、この季節がどんなに忙しいか、よくわかりました。

グレたちも大きな籠を背負って、収穫のお手伝いをします。

マスター「この赤い実はなんだろう、イチゴの味がするぜ、イチゴ酒にでもするのかな、おお、こっちの白い実は、チョコレート味だ。」

カノジョ「マスター、食べてばかりいないで、収穫しなくては。マスターの籠の中は、まだほとんど入っていないわ。」

チャピー「この黄色い花、アイスクリームのような味よ。私、花なんか食べたことがなかったけど、すごくおいしい!!」

 

グレたちは時々つまみ食いしながらも、それぞれの籠がいっぱいになるまで、収穫しました。

 

今日はお天気もよく、かなりの量の木の実やキノコが収穫され、広場の中央に山積みに置かれました。

 

明日はグレたちのために、特別に収穫した木の実とキノコで、魔法の薬を作ることになったのです。

広場には大きな鍋とかまどが 3 箇所に設置され、たいまつを手に持った、コロボックルたちが、鍋の周りを囲んで、踊りはじめました。

いつも魔法の薬を作る前に行われる儀式だそうです。夜空には星が瞬きはじめ、まん丸いお月様も姿を現しました。今日は満月の日だったのです。

グレたちもたいまつを持って、コロボックルの輪に加わりました。赤々と燃えるたいまつの火が、暗い夜を美しく彩って、コロボックルたちの歌う不思議な歌声が幻想的な夜を演出していました。

 

さて、魔法の薬はどうやって出来上がるのでしょう。

次回をお楽しみに、待っていてください。

 

つづく

BGM 真夜中の火祭り(平吉  毅州 )

イラストの説明
手に手に、たいまつを持って、グレたちもコロボックルの輪の中に加わりました
手に手に、たいまつを持って、グレたちもコロボックルの輪の中に加わりました。

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